• 2025-10-05
  • 2025-09-26

前立腺肥大症の原因と予防法


年齢を重ねると、男性特有の悩みとして「尿の出が悪い」「夜中に何度もトイレに行く」といった症状が増えてきます。開院後当院へ受診頂いた男性の患者様の半分以上がこのような症状です。
こうした症状の多くは前立腺肥大症が原因で起こります。前立腺肥大症は加齢による自然な変化ですが、生活習慣の工夫や定期的なチェックで症状の進行を抑え、快適な日常生活を維持することが可能です。

☆前立腺肥大症の原因
前立腺肥大症は、主に加齢や男性ホルモンの変化によって起こりますが、生活習慣や遺伝も影響します。
1. 加齢とホルモンの変化
加齢とともに男性ホルモンの働きが変化し、前立腺内でホルモンが前立腺細胞の増殖を促す形に変わることで、前立腺が徐々に大きくなります。50歳を過ぎると症状が出やすくなるのはこのためです。
2. 遺伝的要因
家族に前立腺肥大症の方がいる場合、発症しやすくなる傾向があります。遺伝的な体質が関与していると考えられています。
3. 生活習慣や代謝の影響
• 運動不足による血流の低下
• 肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病
• 脂肪の多い食事や過剰なアルコール摂取
これらは前立腺への負担を増やし、症状の悪化につながることがあります。

☆前立腺肥大症の予防と生活の工夫
前立腺肥大症は完全に防ぐことは難しいですが、日常生活での工夫で症状の進行を抑えることができます。
1. 適度な運動を習慣にする
ウォーキング、ラジオ体操、軽い筋トレなどを週に数回取り入れると、血流や代謝が改善され、前立腺の健康維持につながります。運動は肥満の予防にもなり、生活習慣病のリスクも下げることができます。
◎具体的な運動例
• 朝や夕方の15〜30分のウォーキング
• 脚の軽い筋トレ(椅子に座ったままの足上げ運動など)
• ストレッチやラジオ体操で血流を促す
2. 食生活の改善
• 脂肪分の多い食事は控えめに
• 野菜や果物、魚、豆類をバランスよく摂取
• 過剰なアルコールやカフェインの摂取は控える
バランスの良い食生活は、肥満や生活習慣病の予防になり、前立腺への負担も軽くなります。
3. 水分のとり方を工夫する
• 一度に大量の水分を摂るより、少量をこまめに摂取する
• 夜間の頻尿が気になる場合は、寝る前の水分やカフェイン、アルコールを控える
4. 便秘の予防
便秘になると前立腺や膀胱に圧力がかかり、排尿症状が悪化することがあります。食物繊維や水分を意識して摂ることが大切です。
5. 定期的な泌尿器科検診
50歳を過ぎたら、年に1回の泌尿器科検診がおすすめです。
尿の勢いや残尿の量、前立腺の大きさを確認することで、症状の進行を早期に把握できます。必要に応じて薬物療法や生活指導を受けることも可能です。

まとめ
前立腺肥大症は加齢による自然な変化ですが、生活習慣の工夫と定期的なチェックで進行を抑えることができます。
1. 適度な運動で血流と代謝を改善する
2. バランスの良い食生活で肥満や生活習慣病を防ぐ
3. 水分やアルコールの摂り方を工夫する
4. 便秘を防ぐ
5. 定期的な泌尿器科検診で早期発見・早期対応
「年齢のせいだから仕方ない」と思わず、今日からできることを少しずつ取り入れて、快適な毎日を維持しましょう。生活習慣の小さな改善が、前立腺の健康につながります。
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