• 2026-05-21

前立腺がんのサインとは?初期症状・予防法・検査方法を泌尿器科専門医がわかりやすく解説

はじめに
「最近、夜中に何度もトイレに起きる」
「尿の勢いが弱くなった」
「PSAが高いと言われた」
このような症状や検査結果が気になっていませんか?
前立腺がんは、日本人男性で最も多いがんの一つです。高齢化に伴い患者数は増加しており、近年では男性のがん罹患数の上位を占めています。
一方で、前立腺がんは早期発見できれば治療成績が良好ながんでもあります。特にPSA検査の普及により、症状が出る前に見つかるケースも増えています。
この記事では、泌尿器科の視点から、
• 前立腺がんの初期サイン
• 注意すべき症状
• 予防方法
• 検査方法
• PSA検査の見方
について、ガイドラインを参考にわかりやすく解説します。
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前立腺とは?
前立腺は、男性だけにある臓器で、膀胱のすぐ下にあります。尿道を取り囲むように存在し、精液の一部を作る役割があります。
加齢とともに前立腺は変化しやすく、
• 前立腺肥大症
• 前立腺炎
• 前立腺がん
などの病気が増えてきます。
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前立腺がんとは?
前立腺がん は、前立腺の細胞が異常に増殖する病気です。
多くは比較的ゆっくり進行しますが、中には進行が早いタイプもあります。
特に50歳以上で増加し、
• 60代
• 70代
• 80代
で診断されることが多いです。
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前立腺がんの初期サイン・症状
実は前立腺がんは、初期にはほとんど症状がないことが少なくありません。
そのため、健康診断や人間ドックでPSA高値を指摘されて見つかるケースが多いです。
ただし、進行すると以下のような症状が出ることがあります。
排尿に関する症状
• 尿の勢いが弱い
• 尿が出にくい
• トイレが近い(頻尿)
• 夜中に何度も起きる(夜間頻尿)
• 排尿後も残尿感がある
• 尿が途中で途切れる
これらは前立腺肥大症でも起こるため、症状だけでは区別できません。
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血尿・血精液症
• 尿に血が混じる
• 精液に血が混じる
といった症状がみられることがあります。
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痛みが出る場合
進行すると、
• 腰痛
• 骨盤の痛み
• 背中の痛み
• 股関節痛
などが出現することがあります。
前立腺がんは骨転移しやすい特徴があるため、特に高齢男性の原因不明の腰痛では注意が必要です。
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前立腺がんになりやすい人
以下のような因子が関連すると考えられています。
加齢→最大のリスク因子です。
家族歴
父親や兄弟に前立腺がん患者がいる場合、リスクが高くなるとされています。
食生活
• 高脂肪食
• 動物性脂肪の過剰摂取
• 肥満

などが関連すると考えられています。
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前立腺がんの予防方法
完全に予防する方法は確立されていませんが、生活習慣の改善は重要です。
1. バランスの良い食事
野菜や魚中心の食生活が推奨されます。
特に、
• トマト(リコピン)
• 大豆製品
• 青魚

などが注目されています。
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2. 適度な運動
ウォーキングなどの有酸素運動は、
• 肥満予防
• 生活習慣病予防
につながります。
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3. 禁煙
喫煙はがん全般のリスクを高めます。
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4. 定期的な検査
前立腺がんは早期発見が非常に重要です。
50歳以上では、PSA検査を定期的に受けることが推奨されます。
家族歴がある方では、より早めの検査相談が望まれます。
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前立腺がんの検査方法
1. PSA検査(採血)
最も一般的なのがPSA検査です。
PSAとは、
前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen)
という前立腺から分泌されるタンパク質です。
採血で測定できます。
PSAが高くなる原因
PSA高値=必ずしも前立腺がんではありません。
以下でも上昇します。
• 前立腺肥大症
• 前立腺炎
• 尿閉
• 自転車長時間走行
• 射精後
など。
そのため、PSA高値の場合は追加検査を行います。PSA高値でも徐々にPSAが上昇する場合は癌の可能性が高く、上下の波がある場合は良性の可能性があります。グレーゾーンの場合は3ヶ月ごとに採血で数値の推移を観察します。
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PSAの目安
一般的には、
• 4.0 ng/mL以下:基準範囲
• 4〜10 ng/mL:グレーゾーン
• 10 ng/mL以上:がんの可能性上昇
とされます。
ただし年齢によっても変化するため、総合的判断が必要です。
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2.エコー検査
お腹から当てるエコー検査で痛みはありません。前立腺の大きさや残尿の有無、前立腺の中の石化化など総合的に判断し前立腺癌が疑わしいかどうかを判断します。
3. MRI検査
前立腺MRIにより、
• がんの位置
• 広がり
• 悪性度の推定
が可能になります。
不要な生検を減らせる可能性もあります。
4. 前立腺生検
確定診断のために行います。
前立腺に針を刺して組織を採取し、顕微鏡で癌の有無を調べます。

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前立腺がんは早期発見が大切
早期の前立腺がんでは、 
• 手術

• ホルモン療法
• 放射線治療
• 監視療法
など選択肢が広がります。
一方、進行してから見つかると治療が複雑になることがあります。
「症状がないから大丈夫」ではなく、定期的な検査が重要です。
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こんな方は泌尿器科へ相談を
以下に当てはまる方は、一度泌尿器科受診をおすすめします。
• PSA高値を指摘された
• 夜間頻尿が増えた
• 尿の勢いが低下した
• 血尿がある
• 家族に前立腺がん患者がいる
• 50歳以上で検査を受けたことがない
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まとめ
前立腺がん は、男性に多いがんですが、早期発見により良好な治療成績が期待できます。
特に、
• PSA検査
• MRI
• 定期的な泌尿器科受診
が重要です。
「年齢のせいかな」と思っている排尿症状の中に、前立腺がんが隠れていることもあります。
気になる症状がある場合は、早めに泌尿器科専門医へ相談しましょう。

詳しくは当院のHPもご参考ください。

https://green-clinic.net/prostate.html
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参考ガイドライン・参考文献
• 日本泌尿器科学会
• 前立腺癌診療ガイドライン
• 国立がん研究センター 前立腺がん情報

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