- 2026-10-19
クレアチンは筋トレに効果がある?運動へのメリットと腎臓への影響を解説
こんにちは。南茨木グリーンクリニック院長の松田博人です。
筋力トレーニングをする方に、よく知られているサプリメントの一つが「クレアチン」です。かくいう私もトレーニング前に内服しております。よくある質問が
「筋肉を増やすのに役立つ?」「プロテインとどう違う?」「腎臓に悪いと聞いたけれど大丈夫?」です。
今回は、クレアチンが運動に役立つ仕組みと、腎機能の検査を受けるときの注意点をご紹介します。
クレアチンは筋肉のエネルギー補給を助ける物質
クレアチンは、体内で作られるほか、肉や魚にも含まれる物質です。主に筋肉に蓄えられ、一部は「クレアチンリン酸」として存在しています。
筋肉を動かす直接のエネルギー源は、ATPという物質です。しかし、筋肉が蓄えているATPだけでは、強い力を長く出し続けることはできません。
そこで、使われたATPを素早く再生する手助けをするのがクレアチンリン酸です。短時間に大きな力を出すための、エネルギーの予備タンクと考えると分かりやすいでしょう。
どのような運動に効果が期待できる?
クレアチンが特に役立つのは、短時間の強い運動を、休憩を挟んで繰り返す場面です。
運動の種類 期待できる働き
ウエイトトレーニング→強い力を発揮し、反復回数や総運動量を維持する助けになる
短距離ダッシュの繰り返し→繰り返しの運動で出力を維持する助けになる
サッカーやバスケットボールなど→ダッシュやジャンプを繰り返す場面で役立つ可能性がある
高強度のインターバルトレーニング→短時間の高出力を繰り返す内容では効果が期待できる
ウォーキング・ゆっくりしたジョギング→運動能力への直接的な効果は限定的
同じ「ランニング」でも、短い全力ダッシュの繰り返しと、一定のペースで長く走る運動では、期待できる効果が異なります。
筋力や筋肉量にはどう影響する?
① トレーニングの質を高める助けになる
筋トレでは、セットを繰り返すにつれて疲労し、扱える重量や反復回数が落ちていきます。
クレアチンは、このような場面で筋肉のエネルギー供給を支えます。結果として、トレーニング全体で取り組める運動量が増え、継続したときの筋力向上を後押しすることが期待されます。
ただし、効果には個人差があり、必ず重量や回数が増えるわけではありません。
② 筋肉量の増加を補助する可能性がある
筋トレと組み合わせることで、筋肉量の増加を補助する可能性があります。ただし、すべての研究で同じ結果が得られているわけではありません。
2025年の比較試験では、摂取開始後の短期間に除脂肪量が増えた一方、その後12週間の筋トレによる増加量には、クレアチンを使わない群との明確な差が認められませんでした。
「飲むだけで筋肉が増える」と考えず、運動・食事・睡眠を整えたうえでの補助として捉えることが大切です。
③ 飲み始めの体重増加は、すべて筋肉とは限らない
クレアチンの摂取後には、筋肉内の水分が増えて体重が上がることがあります。
そのため、短期間の体重や体組成計の「筋肉量」の増加を、そのまま筋線維が増えた結果とは判断できません。筋力や運動記録、数か月単位での変化も合わせて見ていきましょう。
プロテインとは役割が違います
プロテインは、筋肉などの材料となる「たんぱく質」を補うものです。
一方、クレアチンは、筋肉が強い力を発揮するときのエネルギー供給を助けます。役割が異なるため、クレアチンを飲んでいても、食事から必要なたんぱく質を摂ることは欠かせません。
どのくらい摂取するのでしょうか?
研究で広く使われているのは「クレアチン・モノハイドレート」です。健康な成人では、1日3〜5g程度を継続する方法が一般的です。
最初に多めに摂る「ローディング」という方法もありますが、必須ではありません。少量を毎日続ける方法でも、約4週間かけて筋肉内の蓄えを増やせます。
一度に多量を摂ると、お腹の不快感や下痢を起こす場合があります。量を増やせば効果が高まると考えず、持病や服薬がある方は、使用前に医師へ相談してください。
クレアチンは腎臓に悪い?
腎臓に病気のない健康な成人では、標準的な量の摂取によって腎機能が低下するという明確な証拠は、現在の研究では示されていません。
ただし、**もともと腎臓病がある方での安全性は十分に分かっていません。**慢性腎臓病がある方や、糖尿病・高血圧などで治療中の方は、主治医に相談しましょう。
健診の「クレアチニン」が高くなることがあります
クレアチンと名前が似ている「クレアチニン」は、腎機能の評価に使う血液検査項目です。
クレアチンの摂取、筋肉量の多さ、検査直前の強い運動などによって、腎機能が低下していなくてもクレアチニンが高くなることがあります。
通常の「eGFR」はクレアチニン値などから計算されるため、実際より腎機能が低く見える場合があります。
一方で、「サプリのせいだから大丈夫」と自己判断してはいけません。過去の数値や尿検査などと合わせて評価し、必要に応じて筋肉量の影響を受けにくい「シスタチンC」という検査も検討します。
健診結果とサプリの情報をお持ちください
受診時には、使用中のサプリメントの商品名・摂取量・使用期間をお伝えください。容器や成分表示の写真でも構いません。
南茨木グリーンクリニックでは、健診で指摘された腎機能異常や尿検査異常についてご相談をお受けしています。
運動を安心して続けるためにも、気になる検査結果があれば、健診結果を持ってご相談ください。
南茨木グリーンクリニック
院長 松田博人