• 2026-09-07

「尿が残っている感じ」がする…残尿感の原因は?泌尿器科で調べること

「トイレに行ったのに、まだ尿が残っている感じがする」

「もう一度トイレに行きたくなる」

「以前より尿のキレが悪くなった気がする」


このような症状を「残尿感」といいます。

残尿感は男女ともにみられる症状ですが、原因は一つではありません。

そして意外と大切なのが、

「残尿感がある=実際に膀胱の中に尿が残っている」とは限らない

ということです。

今回は、残尿感の原因と、泌尿器科ではどのような検査を行うのかについて解説します。

残尿感とは?

残尿感とは、排尿したあとにも

「まだ尿が残っている気がする」

「全部出し切れていない感じがする」

という感覚が残る状態です。

大きく分けると、

① 本当に膀胱の中に尿が残っている場合

② 尿はほとんど残っていないのに、残っているように感じる場合

があります。

症状だけでは、この2つを見分けることは難しいため、泌尿器科では必要に応じて残尿量を確認します。

① 男性で多い「前立腺肥大症」

中高年の男性で残尿感がある場合、代表的な原因の一つが前立腺肥大症です。

前立腺は膀胱の出口にあり、尿道を取り囲んでいます。

年齢とともに前立腺が大きくなると尿道が圧迫され、

・尿の勢いが弱い
・尿が出始めるまで時間がかかる
・途中で尿が途切れる
・お腹に力を入れないと出ない
・排尿後も尿が残っている感じがする
・夜中に何度もトイレに起きる

といった症状が出ることがあります。

「年齢のせいだから仕方ない」と我慢されている方も少なくありませんが、治療によって改善できることがあります。

② 女性に多い「膀胱炎」

女性で、

残尿感+排尿時の痛み+頻尿

が突然出てきた場合には、膀胱炎が考えられます。

膀胱に炎症が起こることで、実際には尿があまり残っていなくても「まだ尿がある」と感じることがあります。

尿が濁る、血尿が出るといった症状を伴うこともあります。

特に、

・発熱
・悪寒
・背中や腰の痛み

などを伴う場合には、腎盂腎炎などの可能性もあるため、早めの受診が必要です。

③ 慢性前立腺炎

比較的若い男性でも残尿感が続くことがあります。

その原因の一つが慢性前立腺炎です。

残尿感だけでなく、

・頻尿
・会陰部(肛門と陰嚢の間)の違和感
・下腹部の不快感
・陰部の違和感
・排尿後の違和感

など、はっきり説明しにくい症状が続くことがあります。

「検査では大きな異常がないけれど、ずっと違和感がある」という方も少なくありません。

④ 膀胱の力が弱くなっていることも

尿を出すためには、膀胱がしっかり収縮する必要があります。

この収縮する力が弱くなると、尿を最後まで出し切れず、膀胱内に尿が残ることがあります。

加齢だけでなく、糖尿病や神経の病気などが関係することもあります。

残尿が多い状態が続くと頻尿の原因になるだけでなく、尿路感染症などにつながることもあるため、原因を確認することが大切です。

⑤ 過活動膀胱などでも残尿感を感じることがあります

実際にはほとんど尿が残っていなくても、膀胱が過敏になっていることで残尿感を感じることがあります。

頻尿や、

「急にトイレに行きたくなって我慢しにくい」

という**尿意切迫感**を伴う場合には、過活動膀胱なども考えます。

そのため、

残尿感=前立腺肥大症

と決めつけることはできません。

⑥ 見逃したくない「膀胱がん」

頻度は高くありませんが、残尿感や頻尿、排尿時の違和感の背景に膀胱がんが隠れていることがあります。

膀胱がんで最もよくみられる症状は血尿ですが、必ずしも毎回血尿が出るとは限りません。


また、

・尿潜血を指摘された
・目で見て赤い尿が出た
・頻尿が続く
・排尿時の違和感がある
・膀胱炎のような症状を繰り返す

といった場合には、膀胱の病気がないか確認することが大切です。

特に、痛みのない血尿が出た場合には、症状が一度だけで自然に治まっても、そのままにせず泌尿器科での評価をおすすめします。

必要に応じて、尿検査、尿細胞診、超音波検査、CT、膀胱鏡などを組み合わせて確認します。

泌尿器科では何を調べるの?

残尿感で受診された場合、症状に応じて

・尿検査
・超音波検査(エコー)
・排尿後の残尿量測定
・前立腺の評価
・PSA検査
・尿の勢いを調べる検査
・尿細胞診
・必要に応じてCTや膀胱鏡

などを組み合わせて原因を調べます。


特に排尿後の残尿は、超音波を使って身体への負担をほとんどかけずに確認できます。

「残っている感じは強いのに、実際にはほとんど残っていない」というケースもあります。

逆に、

「本人はそれほど気にしていないのに、かなり尿が残っている」

ということもあります。

そのため、感覚だけで判断しないことが大切です。

こんな症状があれば早めに受診を

残尿感に加えて、

・尿がほとんど出ない
・まったく尿が出ない
・血尿が出た
・尿潜血を指摘された
・排尿時に強い痛みがある
・発熱や悪寒がある
・腰や背中が痛い
・症状が長期間続いている
・尿の勢いが以前より明らかに弱くなった


といった症状がある場合には、一度泌尿器科での検査をおすすめします。

特に尿がまったく出ない状態(尿閉)は、早急な処置が必要になることがあります。

また、痛みのない血尿は、たとえ一度だけでも泌尿器科で確認することが重要です。
残尿感だけで泌尿器科を受診しても大丈夫です

「こんな症状だけで泌尿器科に行っていいのかな?」

と迷われる方も多いと思います。

もちろん大丈夫です。

泌尿器科は、血尿や前立腺の病気だけを診る診療科ではありません。

残尿感、頻尿、尿の勢いが弱い、夜何度もトイレに起きる、排尿時の違和感

なども、泌尿器科でよくご相談いただく症状です。

南茨木グリーンクリニックでは、尿検査や超音波検査に加え、症状に応じてCTや膀胱鏡を用いた詳しい検査も行っています。

特に血尿や尿潜血を伴う場合には、膀胱や腎臓などに病気が隠れていないかを確認することが大切です。

「なんとなく尿がスッキリしない」

という段階でも、お気軽にご相談ください。

南茨木グリーンクリニック
院長 松田 博人

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